会計・税制・会社法など企業経営に役立つ学習室「相続税」

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相続とは
相続は人の死によって開始します。相続が開始すると、相続人は、相続開始の時から被相続人の一身に専属したものを除き、被相続人に属した一切の権利義務を継承することとされています。相続税は、自然人の死亡に伴う相続による財産の移転を課税原因として課されるものです。尚、相続は、被相続人の住所において開始することとされており、誰が相続人になるかは、民法第886条以下に定めがあります。

遺贈
満15歳に達した者は、遺言により財産を処分(贈与)することができますが、これを遺贈といい、自然人の死亡による財産の移転という意味において相続と異ならないところから、相続税の課税原因とされています。遺贈には、一定の割合をもって示される包括遺贈と特定の財産や権利義務を取得することとされています。
尚、受遺者には一定の欠格事由があるほかは制限がなく、相続人以外の者や法人なども受遺者になることができ、一方、受遺者はその遺贈を承認するか、放棄するかを自由に選択することができます。

相続税の計算のあらまし
相続税は、まず@各相続人又は受遺者ごとに課税価格を計算し、次にA相続人又は受遺者全員の課税価格を更新して、その課税価格の合計を基に相続税の総額を計算します。そして、Bその相続税の総額を各相続人又は受遺者の課税価格の割合によりあん分して各相続人又は受遺者の算出税額を計算し、さらにC相続税額の加算及び税額控除をして、各相続人又は受遺者の実際に納付すべき相続税額を計算します。
尚、相続税の総額は、相続財産を誰が取得したか、又はどのような割合で取得したかにかかわりなく、民法上の法定相続人の数及び法定相続分に従って計算することとされています。

相続開始前3年以内の贈与財産
相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続の開始前3年以内に、その相続に係る被相続人からの贈与により財産を取得している場合には、その贈与により取得した財産(特定贈与財産及び非課税財産を除きます。)の価額は、その贈与を受けた相続人又は受遺者の相続税の課税価格に加算されます。特定贈与財産とは、婚姻期間が20年以上である配偶者に該当する被相続人からの贈与により、その被相続人の配偶者が取得した居住用不動産又は金銭で、一定の要件にあてはまるものを言います。

遺書に係る基礎控除
相続税額の総額を計算する場合においては、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る課税価格の合計額から、次の算式によって計算した金額が控除されます。これを遺産に係る基礎控除額といい、課税価格の合計額がこの控除額以下である場合には、相続税は課税されないことになります。
3,000万円+600万円×法定相続人の数=遺産に係る基礎控除額

相続税の総額
相続税の早算表
各法定相続人の取得金額 税率 控除額
1,000万円以下
3,000万円以下
5,000万円以下
1億円以下
2億円以下
3億円以下
6億円以下
6億円超
10%
15%
20%
30%
40%
45%
50%
55%
-
50万円
200万円
700万円
1,700万円
2,700万円
4,200万円
7,200万円

【設例】
本年、被相続人Aが死亡しました。法定相続人は、妻B、長男C、次男の子のD及びE(次男は相続開始前に死亡しています。)の4名ですが、各人は、その遺産を次のとおり相続することとしました。尚、Cは、その他200万円の債務及び葬式費用を負担しています。

B 6,200万円 C 4,000万円 D 1,000万円 E 1,000万円

相続税の総額は次のようにして計算します。

@課税価格の合計額
6,200万円(B)+3,800万円(C)+1,000万円(D)+1,000万円(E)=12,000万円
A遺産に係る基礎控除額
5,000万円+1,000万円×4人=9,000万円
B「@−A」の金額
12,000万円ー9,000万円=3,000万円
CBの金額を法定相続分により取得した場合の各人の取得金額
B 3,000万円×1/2=1,500万円
C 3,000万円×1/2×1/2=750万円
D 3,000万円×1/2×1/2×1/2=375万円
E 3,000万円×1/2×1/2×1/2=375万円
D各人ごとの相続税額(相続税の速算表によります。)
B 1,500万円×15%-50万円=175万円
C 750万円×10%=75万円
D 375万円×10%=37万5千円
E 375万円×10%=37万5千円
E相続税の総額
175万円+75万円+37万5千円+37万5千円=335万円

贈与税額の控除
相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続の開始前3年以内に被相続人から贈与により財産を取得している場合には、その課税価格に贈与により取得した財産の価格を加算したものを相続税の課税価格として、相続税が課税されます。
この場合、相続開始のあった年の前年以前に受けた財産については贈与税が課税されることになっていますので、相続税と贈与税とが二重に課税されることになります。そこでこれを避けるために、既に課税された贈与税、又は課税されるべき贈与税があるときは、その相続税額からこれらの贈与税額を控除した税額が、その納付すべき相続税額となります(相法19)。
相続税から控除する贈与税額は、その年分の贈与税額に、その年分の取得財産の価格の合計額のうちに相続税の課税価格に加算された財産の価格の占める割合を乗じて計算します(相法19、相令4)。この算出方法を算式で示すと、次のとおりです(相基通19-6)。
A×C/B
(注)
算式中の符号は、次のとおりです。
Aは、その年分の贈与税額
Bは、その年分の贈与税の課税価格(相法第19条第1項に規定する特定贈与財産がある場合には、その価額を控除した後の課税価格)
Cは、その年分の贈与財産の価額の合計額のうち相法第19条の規定により相続税の課税価格に加算された部分の金額

配偶者に対する相続税額の軽減
相続又は遺贈により財産を取得した者が被相続人の配偶者である時は、一定の限度のもとにその配偶者の相続税額が軽減されます。この配偶者に対する相続税額の軽減の制度は、配偶者に対する相続税については、同一世代間の財産移転であり、遠からず次の相続が発生して、その際、相続税が課税されることになるのが通常であること、又、長年共同生活が営まれてきた妻の座に対する配慮、更には遺産の維持形成に対する配偶者の貢献の考慮などから設けられているものであるとされています。

申告書の提出期限
相続税の申告書は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内(その期間内に国内に住所及び居住を有していないことになる場合には、住所及び居住を有しないこととなる日まで)に提出しなければなりません。

物納
税金は、原則として金銭で納付することを建前としており、相続税についても同様に一時に金銭で納付することを原則としています。しかし、相続税が財産税の性格を持っているところから延納制度のほかに物納制度が設けられており、一定の条件の下に金銭納付の例外として物納が認められています。

(1)物納が出来る場合
物件の要件
次の用件の全てを満たす場合に、物納の許可が受けられます。
@延納によって金銭で納付することを困難とする事由があり、且、その納付を困難とする金額を限度としていること。
A申請財産が定められた種類の財産であり、且、定められた順位によっていること。
B納期限までに申請書を提出すること。
C物納適格財産であること。

(2)物納に充てることができる財産の種類とその順位
物納申請財産の種類 順位
国債、地方債、不動産、船船 第1順位
社債、株式、証券投資信託や貸付信託の受益証券 第2順位
動産 第3順位

(3)物納適格財産
物納に充てることのできる財産は、国が管理又は処分をするものに適したものでなければなりません。

相続税の納税猶予
農地等の生前一括贈与を受けた場合には、贈与税の納税猶予の制度が設けられており、農業を営む者から相続人が農地等を相続又は遺贈により取得した場合には、相続税の納税猶予の制限が設けられています。
これらの制度は、いずれも農業後継者又は農業相続人が農業経営を継続して行くことを前提として設けられており、相続税の納税猶予は贈与税の納税猶予の適用を受けていた者に限らないという点で必ずしも両制度は結びついているとは言えませんが、贈与税から相続税へ、更に次の推定相続人への贈与というようにつながりを持っており、相続税の納税猶予と贈与税の納税猶予の制度は相互に深い関係があります。
すなわち、贈与税の納税猶予の適用を受けていた贈与税額は、その農地等の贈与者が死亡した時に免除されますが、これは贈与者が死亡した時に、納税猶予の対象となっていた農地等はその死亡した贈与者から受贈者が相続又は遺贈により取得したものとみなされて相続税が課税されることになっていることから来ています。
もっとも、この場合、その受贈者たる相続人はその農地等の全部を相続税の納税猶予の対象とする必要はなく、農地等を選択して、相続税の納税猶予の適用を受けることができます。
この他、その農業相続人が後継者育成のため、あるいは経営移譲年金の受給のため等の事由により、農地等の生前一括贈与をした場合、その農業相続人の相続税額は免除されます。この場合には、その者の農業後継者について、贈与税の納税猶予が開始しすることになります。

財産評価の原則
相続税等により財産を取得した場合、相続税が課税されることとなっています。この相続税は、課税の対象となる相続財産を時価評価して、課税価格を算定して計算されます。
相続財産を構成する財産は種々のものがありますが、原則として「金銭に見積ることのできる経済的価値のある全ての財産」とされています(相基通11の2-1)。
これらの相続財産の評価について、相続税法では、これらの相続財産の具体的な評価方法として、地上権、永小作権、定期金に関する権利等について定めているにすぎません。その他の財産については、「相続、遺贈又は贈与により、取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による」と評価の原則を定めています。
ところで、この相続財産の時価とは、客観的な交換価値といわれていますが、課税の公平の見地から、国税庁では、財産の評価方法に関する取扱いの全国的な統一を図るため、財産評価基本通達によって、評価の基本原則や具体的な評価の方法を定めています。

評価の一例
奥行価格補正率表


【設例】

【計算】

(注)
同一の土地が見方によって補正率が異なるのは不合理ですから、正面路線と側方路線で地区区分が異なる場合であっても、その評価する土地の効用は正面路線の地区区分によることになります。従って、設例の場合、側方路線の地区区分は普通住宅地ですが、奥行価格補正率及び側方路線影響加算率は普通商業・併用住宅地区のものを適用します。

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